2024.09.29

コーヌステレスコープ義歯のメリットとデメリットを解説

今の入れ歯に悩みを持っている方の中に「コーヌステレスコープ義歯にはどんなデメリットがある?」と考えている人もいるでしょう。

コーヌステレスコープ義歯は、既存の歯に内冠と呼ばれるパーツを取付け、外冠と呼ばれるパーツに取り付けた義歯を被せる構造が特徴です。

従来の入れ歯よりも安定性に優れている点から、現在日本でも注目されています。

しかし、何事もメリットがあればデメリットが存在するものです。

この記事ではコーヌステレスコープ義歯のデメリットとメリットについて解説します。従来の入れ歯やインプラントとの比較も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。

コーヌステレスコープ義歯のデメリット

コーヌステレスコープ義歯のデメリットから紹介します。

  • ・残っている歯を削る必要がある
  • ・治療できる歯科医院が少ない
  • ・保険が適用されない
  • ・口の状態によっては適用できない場合がある

それぞれ見てみましょう。

残っている歯を削る必要がある

コーヌステレスコープ義歯は、残っている歯を削って内冠と呼ばれる茶筒のようなパーツを取り付ける必要があります。

義歯を安定させるためには、残っている歯を土台にして固定しなければならないため、コーヌステレスコープ義歯は、必ず既存の歯を削る必要があるのです。

治療できる歯科医院が少ない

コーヌステレスコープ義歯は、日本では普及していない治療法です。治療は治療に専用の機器や技術、知識が必要であり、対応できる歯科医院は決して多くありません。

また、治療する歯科医師の技術や知識量によって大きく差がでる治療でもあります。そのため、信頼のできる歯科医師の治療を受けるには、遠方の歯科医院へ通う必要が出てくるケースもあり得ます。

保険が適用されない

通常の入れ歯であれば、保険の適用により支払う費用を大幅に削減できます。

しかし、コーヌステレスコープ義歯には保険が適用されないため、全額自己負担となります。

コーヌステレスコープ義歯の治療費は高額なケースがほとんどです。

専用の機器や技術が必要になるうえに、噛み合わせに欠かせない仮歯、仮義歯の費用もかかるため、治療費は200〜300万円と高額になるケースもあります。

口の状態によっては適用できない場合がある

コーヌステレスコープ義歯は、すべての方に適用できるわけではありません。歯の位置により適用できないと判断される場合があるのです。

適用できるかどうかは実際に診察してみなくてはわからないため、まずはかかりつけの歯科医院へ相談しましょう。

コーヌステレスコープ義歯のメリット

コーヌステレスコープ義歯のメリットは5つあります。

  • ・入れ歯だと分かりにくい
  • ・違和感が少ない
  • ・再治療が容易
  • ・歯の負担が少ない
  • ・虫歯になりにくい

それぞれ見てみましょう。

入れ歯だと分かりにくい

コーヌステレスコープ義歯は、通常の入れ歯のように針金は使いません。既存の歯を覆うように設計されているため、対面で話していても入れ歯だと気づかれにくい点がメリットです。

入れ歯を理由に「人前で笑うのが苦手に感じている」「口を大きく開けて笑うのが恥ずかしい」という方も、コーヌステレスコープ義歯なら気を遣う必要がなくなるでしょう。

違和感が少ない

通常の入れ歯であれば、ズレたり不安定さが目立ったりと、装着しているときに違和感を覚える人は大勢います。入れ歯が気になって食事や会話に集中できずに、ストレスが溜まる人もいるでしょう。

一方、コーヌステレスコープ義歯は、摩擦によって義歯を固定する方法が採用されています。コーヌステレスコープ義歯は、茶筒に似た構造なのが特徴です。

茶筒のフタは、思いっきり力を入れてもなかなか開きません。ゆっくりフタを引くことで開けることができます。

コーヌステレスコープ義歯は、健康な歯を土台とした内冠に、義歯である外冠を被せているような作りです。

茶筒のように内冠と外冠が密着して高い摩擦が生じており、非常に安定しています。そのため、装着時の違和感が少ないのです。

また、既存の歯を土台にして装着するコーヌステレスコープ義歯は噛み心地が良く、ストレスなく食事や会話を楽しめる点もメリットに挙げられます。

再治療が容易

コーヌステレスコープ義歯は、土台となる歯が虫歯になるなど治療が必要になったときにも強みが発揮されます。

既存の歯を治療したからといって、作り直す必要はありません。該当する箇所を少し修理・調整するだけでまた使えるのです。

経年による変化にも容易に対応できる点もコーヌステレスコープ義歯のメリットといえます。ただし、抜歯した際は義歯を作り変える必要が出る点は頭にとどめておきましょう。

歯の負担が少ない

コーヌステレスコープ義歯は外冠が土台である内冠に密着しています。

密着することで横揺れの力がなくなるため、今生えている歯への負担が少なくて済みます。

生えている歯に均等に力が加わる構造でもあり、生えている歯を長持ちさせられます。

虫歯になりにくい

虫歯になりにくい点もコーヌステレスコープ義歯のメリットです。

外冠はゆっくり力を加えれば外れる作りのため、着脱が難しくありません。

外冠を外して歯磨きができるため、歯磨きがしやすく磨き残しが減るため、残りの歯が虫歯になったり、歯周病になったりするリスクを抑えられます。

コーヌステレスコープ義歯が適用できないケース(禁忌症)

コーヌステレスコープ義歯は口の中の状態によっては適用できない以下のケースがあります。

  • ・土台となる2本の歯を結ぶ線が対角線上に位置する場合
  • ・土台となる2本の歯を結ぶ線が真横に位置する場合

コーヌステレスコープ義歯を適用できるかどうかはご自身で判断するのは難しいため、一度歯科医師へ相談へ行くのをおすすめします。

コーヌステレスコープ義歯が向いている方

デメリットだけではなく、魅力的なメリットのあるコーヌステレスコープ義歯に向いているのは以下のような方です。

  • ・入れ歯の装着時に違和感がある
  • ・入れ歯だと気づかれるのが嫌だ
  • ・入れ歯が合わなくて外れる
  • ・できるだけ自分の歯を残したい

該当する方は、コーヌステレスコープ義歯の恩恵が大きく、悩みを解決できる可能性があります。

コーヌステレスコープ義歯・入れ歯(保険適用)・インプラントの違い

コーヌステレスコープ義歯・通常の入れ歯・インプラントの違いを以下の表にまとめました。

種類

コーヌステレスコープ義歯

入れ歯(保険適用)

インプラント

治療期間

最短4~5回

最短2回

長い

身体への負担

小さい

小さい

大きい

歯への負担

少ない

大きい

少ない

外科手術の有無

不要

不要

必要

歯磨きのしやすさ

歯磨きしやすい

歯磨きしにくい

歯磨きしやすい

対応できる歯科医院の数

少ない

ほとんどの歯科医院で対応可能

全国的に増加中

費用

250~300万円前後

1万円程度(保険適用)

30~50万円

保険を適用できるのは通常の入れ歯のみです。

インプラントも保険が適用できませんが、費用はコーヌステレスコープ義歯の半分以下におさまっています。

まとめ

コーヌステレスコープ義歯は、まだ日本では普及していない治療方法です。残っている歯を削る必要があったり、保険が適用できなかったりとデメリットはありますがメリットもあります。

入れ歯だとわかりにくい、装着時の違和感が少ない、歯の負担が少ないなどです。ほかの治療法にはない魅力があるため、実際に治療を受ける人は少なからずいます。

ただし、コーヌステレスコープ義歯は誰でも適用できるとは限りません。口の中の状態によって決まるため、検討している方は一度かかりつけの歯科医院へ相談してみてください。

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