金属床義歯のメリット・デメリットは?種類別の費用や選ぶコツまで解説
「金属床義歯のメリット・デメリットは?」
「金属床義歯の費用はどのくらいかかる?」
「快適に食事や会話をできるようになりたい」
上記の疑問を感じている方は、金属床義歯の治療を受けることによって、日常生活に支障をきたすのではないかと不安になっているのではないでしょうか。
しかし、金属床義歯は装着時の違和感が少なく、温度感も伝わるため通常の食事も可能です。
また、耐久性が高く丈夫で、留め金も見えにくく審美性にも優れています。
本記事では、「金属床義歯のメリット・デメリット、種類別の費用や選ぶコツ」を紹介します。また、種類別の金属床義歯の費用や義歯・入れ歯を選ぶコツまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
金属床義歯とは?
金属床義歯とは、入れ歯の主要部分である床(しょう)を金属で作製した義歯のことです。
一般的な保険適用のプラスチック製義歯と比較して、金属床義歯は強度が高く、薄く作れるため、装着時の違和感が少ない点が特徴的です。
また、金属の熱伝導性により、食事中に食べ物や飲み物の温度を感じやすく、食事の楽しみが増します。
さらに、金属は汚れが付きにくく、清潔に保ちやすい利点もあります。
ただし、金属アレルギーのリスクや、保険適用外で費用が高くなる点には注意が必要です。
金属床義歯のデメリット
金属床義歯のデメリットは、以下の4つです。
- 保険が適用されず費用がかかる
- 金属が破損すると修理が難しい
- 金属アレルギーのリスクがある
- 完成までの期間が長い
それぞれ解説します。
保険が適用されず費用がかかる
金属床義歯は、保険適用外のため、費用が高額になりやすいです。
保険適用のプラスチック製義歯と比較すると、金属床義歯は耐久性や装着感に優れていますが、一方で、製作コストが高くなります。
具体的な費用は使用する金属の種類や歯科医院の料金設定によって異なりますが、一般的には40万~100 数十万円程度の費用がかかる場合もあります。
そのため、金属床義歯を選択する際は、費用対効果を考慮し、歯科医師と十分に相談するのが重要です。
金属が破損すると修理が難しい
金属床義歯は耐久性が高いものの、万が一破損した場合、修理が難しいケースもあります。
とくに、金属部分が破損した場合、修理には専門的な技術と設備が必要となり、修理費用も高額になりやすいです。
また、修理期間中は入れ歯を使用できないため、日常生活に支障をきたすことも考えられます。
そのため、金属床義歯を使用する際は取り扱いに注意し、定期的なメンテナンスをおこなう必要があります。
金属アレルギーのリスクがある
金属床義歯は、使用する金属の種類によって、金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。
とくに、ニッケルやクロムなどの金属にアレルギーがある方は、金属床義歯の使用に注意が必要です。
金属アレルギーの症状としては、口内炎や口腔内のかゆみ、腫れなどが挙げられます。
もし金属床義歯を検討する際は、事前にアレルギーの有無を確認し、歯科医師と相談のうえ、適切な金属を選択をしましょう。
完成までの期間が長い
金属床義歯の製作には、精密な型取りや調整が必要となるため、完成までに時間がかかる場合があります。
一般的には、製作から装着までに数週間から数カ月の期間が必要です。
製作までの間は仮の入れ歯を使用する場合もありますが、装着感や機能性が異なるため、不便を感じるかもしれません。
そのため、金属床義歯を選択する際は、治療期間やスケジュールを考慮し、歯科医師と十分に相談するのが重要です。
金属床義歯のメリット
金属床義歯のメリットは、以下の5つです。
- 留め金が見えにくく審美性が高い
- 食べ物の熱さと冷たさがわかる
- 清潔感を維持できる
- 装着感に違和感がない
- 耐久性があるため破損しにくい
それぞれ解説します。
留め金が見えにくく審美性が高い
金属床義歯は、留め金(クラスプ)を目立たなくすることが可能で、審美性が高い義歯です。
とくに、前歯部分の見た目が気になる方にとって、自然な表情を保ちやすいメリットがあります。
また、歯の色に合わせた素材やカラーを選べるため、顔の印象がより自然に見えることも期待できます。
加えて、笑ったときや話すときに義歯が目立たず、自信を持って会話や笑顔ができる点が特徴です。
見た目を気にする場面でも心理的な負担が少なく、日常のさまざまなシーンで快適に過ごせます。
食べ物の熱さと冷たさがわかる
金属床義歯の熱伝導性の高さにより、食べ物や飲み物の温度を感じやすく、食事を楽しみやすいです。
また、温かいスープや冷たい飲み物などの温度がしっかり伝わるため、味覚がより引き立ち、食の満足度が向上する効果もあります。
さらに、日常的な食事で温度を感じられると、季節の変化に合わせた料理や温度差のあるメニューを違和感なく楽しめます。
食事において、「熱さ」や「冷たさ」をしっかり感じ取りたい方にはとくにおすすめです。
清潔感を維持できる
金属床義歯は、プラスチック製のものに比べ、汚れが付きにくく清潔に保ちやすい特性があります。
また、表面が滑らかで細菌も付きにくいため、口腔内の衛生状態を良好に保ち、口臭の予防にもつながります。
メンテナンスが簡単で、定期的に専用ブラシで洗浄するだけで清潔さを維持できる点もメリットです。
入れ歯のお手入れに時間をかけたくない方や、口の中の衛生面を重視する方にとって、快適に使用できます。
装着感に違和感がない
金属の強度を活かして薄く小さく作製できるため、金属床義歯は装着時の違和感が少なく、自然な装着感を実現できます。
そのため、装着初期の適応期間も短く、初めて義歯を使う方でも安心して使用できる点が特徴です。
また、口の中に余分なスペースを取らないため、発音にも違和感が少なく、スムーズな会話が可能です。
装着感に敏感な方や、会話時の自然さを大切にしたい方にとって、負担が少なく日常生活に適しています。
耐久性があるため破損しにくい
金属床義歯はプラスチック製義歯と比較して非常に高い強度を持ち、割れにくいという特徴があります。
日常的な使用や噛む力にしっかりと耐えられ、長期間安定して使い続けられます。
また、耐久性があることで修理や交換の頻度を抑え、長期的にはコスト削減につながる点もメリットです。
頻繁な修理が煩わしいと感じる方や、長期間使用したい方には最適な選択肢です。
金属床義歯の種類
金属床義歯の種類を、以下に3つ紹介します。
- 1.金(白金加金)
- 2.チタン
- 3.コバルトクロム
ひとつずつ解説します。
1.金(白金加金)
金(白金加金)でできた金属床義歯は、金にプラチナを加えた合金で、耐食性や生体親和性に優れています。
また、白金加金は変色しにくく、長期間の使用でも美しさを保てます。
適度な柔軟性があり、口腔内の動きに馴染みやすいため、装着時の違和感が少ない点が特徴的です。
さらに、金属アレルギーのリスクが低く、アレルギー体質の方にも適しています。
ただし、ほかの金属床義歯と比較して費用が高くなる傾向にあります。
2.チタン
チタンでできた金属床義歯は、耐食性に優れており、軽量かつ丈夫です。
そのため、金属床義歯に使用すると、装着時の負担が軽減され、快適な使用感が得られます。
さらに生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクが低いため、多くの患者に適しています。
また熱伝導性が高く、食事中に温度を感じやすい点も利点です。
ただし、加工が難しいため、口内や歯の状態によって、費用が高くなる傾向にあります。
3.コバルトクロム
コバルトクロムの金属床義歯は、強度が高いため、耐久性に優れた合金でできています。
また、薄く作製でき、装着時の違和感が少ないです。
しかし、加工性が劣るため、調整や修理対応が難しい場合もあります。
一方で熱伝導性も高く、食事中の温度を感じやすいメリットがあります。
ただし、金属アレルギーのリスクがほかの金属より高い場合もあるため、注意が必要です。
【種類別】金属床義歯の費用
金属床義歯の種類別の費用は、以下のとおりです。
- 金(白金加金):80万〜100万円程度
- チタン:50万〜70万円程度
- コバルトクロム:40万〜60万円程度
また、金属床義歯を含む義歯と入れ歯の各種費用については、下記の記事で解説しています。
詳細は「金属床義歯の値段はどのくらい?義歯・入れ歯の種類や費用を徹底比較」をご覧ください。
義歯・入れ歯を選ぶ際のコツ
義歯や入れ歯を選ぶ際には、以下のコツを考慮するのが大切です。
- 自分のニーズや不安に合った義歯の選択
- 費用と素材・種類の確認
- 義歯・入れ歯など保険適用外の選択肢の検討
- 耐久性や装着感の重視
- 装着感や審美性を重視した専門医との相談
- 定期的なメンテナンス・ケアの必要性
上記を踏まえて、歯科医師としっかり相談をおこないましょう。
自分が納得し、安心して治療を受けることで、快適な日常生活を送れます。
【まとめ】デメリットを踏まえて義歯や入れ歯を選択しよう
金属床義歯は自然な装着感と高い耐久性を兼ね備えた義歯ですが、保険が適用されないため費用も高く、修理が難しいデメリットもあります。
一方で、食べ物の温度を感じやすく、審美性に優れているため自然な見た目が特徴的です。
薄く作製でき、装着時の違和感が少ないため、耐久性が高い点も魅力です。
そのため、長期間使用しやすく、食事や会話を快適に楽しめます。
とくに自然な装着感や審美性を重視する方は、本記事を参考に、費用やアレルギーリスクを考慮しながら、自分に合った義歯を選んでみてください。