入れ歯とインプラントの違いは?比較表や治療方法の選び方を徹底解説
「入れ歯とインプラントの違いは?」
「自分に最適な治療方法が知りたい」
「高額な治療費用による負担をかけたくない」
上記の疑問をお持ちの方は、食事中に違和感を覚え、見た目の老化にも悩んでいるのではないでしょうか。
入れ歯とインプラントの治療方法や特徴、費用面などには違いがあり、それぞれ理解することで自身に最適な治療方法が見つかります。
本記事では、「入れ歯とインプラントの違いの比較表をはじめ、治療方法の選び方」を紹介します。
入れ歯治療とインプラント治療が向いている人の特徴までそれぞれ紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
入れ歯とインプラントの違い【比較表】
入れ歯とインプラントの違いを以下にまとめました。
項目 |
入れ歯 |
インプラント |
治療方法 |
取り外し可能な人工歯を使用 |
顎の骨に人工歯根を埋め込む |
費用 |
|
インプラント(1本あたり):30万〜50万円程度 ※保険適用外の自由診療 |
耐久性 |
3~5年ごとに作り直しが必要 |
適切なケアをおこなえば10年以上使用可能 |
咀嚼機能 |
天然歯の約20%程度 |
天然歯とほぼ同等 |
見た目 |
自然な見た目を再現可能 |
自然な歯に近い見た目 |
手術の有無 |
無し |
有り |
メンテナンス |
定期的な調整や洗浄が必要 |
定期的な歯科検診が推奨される |
顎の骨への影響 |
骨の吸収が進む可能性がある |
骨の吸収を防ぐ効果がある |
入れ歯とインプラントの治療方法を選ぶ際のポイント
入れ歯とインプラントの治療方法を選ぶ際のポイントは、以下の5つです。
- 治療方法が自身の健康状態に合っているか
- 治療にかかるコストを考慮しているか
- メンテナンスの手間を把握しているか
- 自分のライフスタイルとの適合性はあるか
- 美容目的はあるか
それぞれ解説します。
治療方法が自身の健康状態に合っているか
治療方法を選ぶ際には、自分の健康状態の正確な把握が必要です。
たとえば、インプラント治療は顎の骨に十分な厚みが求められるため、骨が不足していると、骨移植といった追加の治療が必要になるケースもあります。
また、糖尿病や心疾患などの持病がある方は、インプラント手術が適さない場合もあります。
一方、入れ歯は外科手術をともなわず、全身の健康状態に大きく影響されません。
治療方法は、健康状態に応じて変わるケースもあるため、事前に把握しておきましょう。
治療にかかるコストを考慮しているか
治療にかかるコストの考慮は、選択するうえで重要な基準です。
- 保険適用の入れ歯(1本あたり):5,000円〜15,000円程度
- 保険適用外の入れ歯(1本あたり):15万円〜30万円程度
- インプラント(1本あたり):30万〜50万円程度
インプラントは高額ですが、長期的な耐久性を考えるとコストパフォーマンスが高い場合があります。
一方、入れ歯は比較的安価で初期費用を抑えられますが、定期的な作り替えや調整費用が発生します。
予算に応じて、どちらの治療方法が適しているか検討するのがおすすめです。
メンテナンスの手間を把握しているか
治療方法に応じて、メンテナンスの手間の考慮も必要です。
たとえば、インプラントは「3〜6カ月」ごとの定期的な歯科検診が推奨されています。
一方、入れ歯は取り外し可能で清掃が容易ですが、装着時の違和感や管理の手間が発生する場合があり、毎日の定期的な調整や洗浄が必要です。
どちらも自宅での丁寧なケアも欠かせませんが、自身がどの程度のメンテナンスの手間を許容できるのか、事前に確認して決めましょう。
自分のライフスタイルとの適合性はあるか
治療を選ぶ際は、ライフスタイルとの相性も見逃せません。
インプラントは固定式で天然歯に近い使用感を得られるため、食事や会話を快適に楽しめます。
一方、入れ歯は取り外し可能で手軽ですが、噛む力や安定性で劣る場合があります。
日常生活において、どちらが快適かを考慮しておきましょう。
美容目的はあるか
美容目的があり、見た目を重視する場合はインプラントがおすすめです。
入れ歯の場合は、金具部分が見えることや装着感から審美性に限界があります。
一方インプラントは、人工歯根と人工歯が一体化しているため、自然な仕上がりと高い審美性を実現できます。
そのため、もし自然な見た目やほかの歯への負担をなくしたい方はインプラントがおすすめです。
入れ歯治療のメリット・デメリット
入れ歯治療のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
入れ歯治療のメリット
入れ歯治療は、短期間で歯の機能を回復できます。
主に、咀嚼機能や発音機能、見た目の改善に効果的です。
入れ歯は取り外しが可能で、清掃やメンテナンスがしやすい点も特徴です。
また、保険適用が適用でき、経済的な負担を軽減できます。
入れ歯治療のデメリット
入れ歯は、装着感に慣れるまでに時間がかかるケースもあります。
また、天然の歯と比べて噛む力が弱く、食事の際に不便を感じる場合もあるため注意が必要です。
さらに、長期使用により、顎の骨が痩せるリスクもあります。
定期的な調整や交換、手入れが必要なため、長期的にはコストがかかるケースもあります。
インプラント治療のメリット・デメリット
インプラント治療のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
インプラント治療のメリット
インプラント治療は、健康な歯を削らず治療でき、既存の健康な歯を守れます。
また、顎の骨に直接埋め込まれるため、天然の歯のような感覚で咀嚼できます。
加えて、咀嚼時の負荷が骨に伝わり、骨が健康に保たれやすいです。
さらに、使用される素材がセラミックやジルコニアの場合、天然歯に近い自然な外観を実現できます。
見た目が自然で発音も安定するため、快適な日常生活を送りやすいです。
インプラント治療のデメリット
インプラント治療は保険適用外となり、高額な費用がかかります。
一般的には、1本あたり「30万円〜50万円」が費用の相場です。
また、インプラント治療は外科手術が必要なため、治療期間も「3カ月〜1年程度」と長くなりやすいです。
さらに、インプラント周囲炎のリスクもあり、定期的なメンテナンスが欠かせません。
一方で、全身状態によっては治療ができないケースもあるため、歯科医師とよく相談が必要です。
入れ歯治療とは
入れ歯治療について、以下のとおり紹介します。
- 入れ歯の種類と特徴
- 入れ歯が向いている人・向いていない人
それぞれ解説します。
入れ歯の種類と特徴
入れ歯は総入れ歯と部分入れ歯の2つあり、材質によってレジン床や金属床、ノンクラスプデンチャーなどさらに分類されます。
ただし、入れ歯の噛む力は、自然な歯の「20%」程度です。
一方で、保険が適用されるケースが一般的なため、比較的短期間で作れます。
また、入れ歯の種類と特徴については、下記の記事でも解説しています。
詳細は「入れ歯は1本だけ入れられる?種類や特徴、7つのメリットまで紹介」をご覧ください
入れ歯が向いている人・向いていない人
入れ歯は、経済的な負担を抑えたい人や、短期間で歯の機能を回復したい人に向いています。
また、全身状態や骨の状態により、インプラント治療が難しい人にもおすすめです。
一方、強い噛む力が必要な人や、違和感に敏感な人には向いていないケースもあります。
インプラント治療とは
インプラント治療について、以下のとおり紹介します。
- インプラントの種類と特徴
- インプラントが向いている人・向いていない人
ひとつずつ解説します。
インプラントの種類と特徴
インプラントの種類と特徴について、以下の表にまとめました。
分類 |
種類 |
説明 |
構造 |
ワンピースタイプ |
インプラント体とアバットメントが一体化した構造。手術が1回で完了 |
ツーピースタイプ |
インプラント体にアバットメントを接続するタイプ。手術が2回必要 |
|
材料 |
チタン |
骨と結合しやすく、頑丈で耐久性がある |
ジルコニア |
審美性に優れた材料で、主に前歯に使用される |
|
形状 |
スクリュー型 |
スクリュー構造で固定力が強い |
シリンダー型 |
円柱形のインプラントで、特定の状況に適した設計 |
|
手術方法 |
1回法 |
手術が1回で完了する方法。骨の状態によって適用が限られる |
2回法 |
手術が2回必要な方法。幅広いケースに適用可能 |
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即時荷重法 |
手術当日に仮の歯を装着する治療法。適用ケースが限られた方法 |
|
オールオンフォー |
最少4本のインプラントですべての人工歯を支える方法 |
インプラントが向いている人・向いていない人
インプラント治療は、歯を失った人や入れ歯に不便を感じている人に適しています。
インプラント治療は18歳以上であれば年齢の上限が無く、高齢者でも、健康状態が良好であれば治療を受けられます。
一方で、保険適用外の自由診療のため、高額な費用を抑えたい方には向いていません。
また、健康状態や顎骨の状態によっては治療ができないケースもあります。
たとえば、顎の骨の量が不足している方や全身疾患、喫煙習慣のある方は治療失敗のリスクがあるため、歯科医師とよく相談して治療計画を立てましょう。
入れ歯とインプラントに関するよくある質問
入れ歯とインプラントに関するよくある質問を、以下にまとめました。
- 入れ歯からインプラントへの移行はできますか?
- インプラントから入れ歯への移行はできますか?
- 入れ歯とインプラントの併用はできますか?
- 入れ歯とインプラントの費用相場は?
- 入れ歯とインプラントの治療期間は?
それぞれ紹介します。
入れ歯からインプラントへの移行はできますか?
入れ歯からインプラントへの移行は、可能です。
移行の際は、顎の骨の状態を確認し、必要に応じて骨造成をおこないます。
インプラントへの変更により、自然な見た目や噛み心地の改善が期待できます。
インプラントから入れ歯への移行はできますか?
インプラントから入れ歯への移行は、可能です。
全身疾患の悪化や口内環境の変化などの理由により、インプラントの継続が困難になった場合に検討されます。
移行方法にはインプラントを抜去する方法や、インプラントを活用して入れ歯を作製する方法があります。
入れ歯とインプラントの併用はできますか?
入れ歯とインプラントの併用は、可能です。
インプラントを支台として入れ歯を固定することで、通常の入れ歯よりも強固な咬合が得られます。
ただし、接合部分の清掃や定期的なメンテナンスが重要です。
入れ歯とインプラントの費用相場は?
入れ歯とインプラントの費用相場は、以下のとおりです。
- 保険適用の入れ歯(1本あたり):5,000円〜15,000円程度
- 保険適用外の入れ歯(1本あたり):15万円〜30万円程度
- インプラント(1本あたり):30万〜50万円程度
ただし、患者の健康状態や治療内容、保険が適用されるかによっても異なります。
入れ歯とインプラントの治療期間は?
入れ歯とインプラントの治療期間は、それぞれ以下のとおりです。
- 部分入れ歯:2週間~1カ月程度
- 総入れ歯:1カ月~2カ月程度
- インプラント:3カ月〜1年程度
ただし、治療後は調整が必要となるため、患者の経過に応じて延長する場合もあります。
【まとめ】長期的な口腔の健康と生活の質の向上を実現しよう
入れ歯は取り外し可能で、保険適用により費用を抑えられますが、装着時の違和感や定期的な調整が必要です。
一方、インプラントは外科手術が必要で費用も高額となりますが、顎の骨に人工歯根を埋め込むため、天然歯に近い噛み心地と見た目を実現できます。
加えて、インプラントは周囲の健康な歯に負担をかけず、長期間の使用が可能です。
もし「自分に最適な治療方法が知りたい」「高額な治療費用で家計に大きな負担をかけたくない」「治療費用や保険適用の有無の詳細が知りたい」方は、早めに専門医のいる歯科医院へ相談してみましょう。
大宮いしはた歯科では「入れ歯」をはじめ、「インプラント」や「審美歯科」など、患者さんにひとりひとりに合わせたご提案・治療をおこなっております。
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